恋のロープをほどかないで

ダービーの枠順が25日に発表され、アドマイヤメイン(牡3、栗東・橋田)は青葉賞と同じ3枠6番に決まった。ダービーと同距離、同コースを勝った強みを生かして、97年サニーブライアン以来の逃げ切り勝ちを狙う。

 逃げてこそ持ち味が出るアドマイヤメインが、絶好枠を引いた。青葉賞と同じ3枠6番。この枠なら距離のロスなく内ラチ沿いのフェアウエーを進める。Cコース使用の東京コースは芝が生えそろって内外の差はないように見えるが、実際は内側が馬群に踏まれて走りやすい。反対に外は芝がまとわりつき、パワーをそがれる。先週のオークスでも、外を通ったアドマイヤキッスキストゥヘヴンが伸び切れなかった。まずは運を味方に付けた。

 青葉賞でマークした2分25秒3は、04年キングカメハメハに破られるまで14年間も残っていたアイネスフウジンのダービーレコードと同タイム。前走同様に1000メートルを60秒台で楽に逃げられれば、35秒前半で上がれることが証明されている。そうなれば、いくら皐月賞組といえども、つかまえるのは難しい。

 近藤オーナーのブレーンとして馬探しを手引きする橋田師は、3年前のセレクトセールで馬体の柔らかさにほれて購入を勧めた。オーナーは1億3900万円で落札。馬名はセリ市のメインの馬という意味で名付けられた。「背中の動きが柔らかかった。サンデーサイレンスの子でも、これだけ柔らかい馬は少ない。ベガも本当に柔らかかった」。トレーナーは自厩舎で99年ダービーを制したアドマイヤベガを引き合いに出し、資質の高さを褒めた。

 デビュー当初は頭の高い走法だったが、力を付けるに従って首を使えるようになった。「フォームが変わってきている。体ができてきたからね」。タニノハローモアカブラヤオーアイネスフウジンミホノブルボンサニーブライアン。逃げ馬は忘れたころにやってくる。「チャンスだと思いますよ」。橋田師は2度目の制覇に自信を深めている