Midnight Teenage Shuffle

坂口社長時代、銀行・TV局から信用があったのは、
坂口さんが唯一新日の人間で猪木さんの暴走を抑制できるからです。
現役時代の猪木選手の付き人をしていた蝶野選手・藤原組長はもちろん
コンニャク藤波辰巳元社長・長州力WJ元代表も猪木さんにはNoと言えない。
坂口さんは猪木さんより一歳年上で、お互いを呼び合うときも
坂口「猪木」
猪木「坂口さん」
で、年齢的な上下関係がそこにはあるわけで。
新日本への投資は猪木事業に湯水のように流れるから出来ないが、
坂口さん個人にはお金を貸しますよ。という流れでしょう。

坂口社長―NWO時代は新日本プロレス30年の歴史で一番の黒字を出した。
テレビも深夜に移り、異種格闘技ブームも、タイガーマスクブームもなく、
格闘技ブームが起こっていた時代に、アントンハイセルへの融資を止めたことで
出せた黒字。猪木さんにNOと言える人は貴重だ。


猪木、パワーズ、パターソンなんかに4の字(8の字)固めを決められて、もがき苦しむ坂口の
姿には燃えたな。
全身汗まみれでのた打ち回り、ハンサムな顔を苦痛でゆがめ、必死で痛みに耐えている姿は
絵になった。まさに全身で痛みを体現していたよ。
身をよじって反転したりしながらようやくサードロープに手をかけても、非情なミスター高橋
が必ず坂口の手を蹴ってロープブレイクをさせないんだよな。
ひどい時には、完全に肘や肩までロープの外に出てるのに、ロープブレイクを認めないばかりか
坂口の体を持ってリングに押し戻すんだよ。そして、また坂口はのたうち回ってもがき苦しむ。



http://www.oisinbosoft.com/cata/pic/TS-GOLD-11.jpg


クラップ、シン、上田、パワーズ、ブッチャー・・・。
悪役に反則攻撃でいたぶられる坂口はよかったね。
猪木がやられる時の千倍燃えたよ。
男前で大きな坂口があと一歩のところまで攻め込んでいながら、急所、凶器で形勢逆転し、
悪の術中にはまって血の海地獄に沈んでしまうというパターンが何とも言えず好きだった。



若い人は全盛期の坂口を知らないだろうから、タイトルマッチでチャンピオンベルトを
渡してた大きなおじさん、坂口憲二のお父さん、っていうイメージなんだろうね。
俺も日本プロレス時代のゴールデンルーキーの頃の坂口は知らないが、すごい人気だったらしいよ。
新日本でクラップ、シン、上田、ブッチャーなんかと戦っていた頃の坂口はよかったよ。
猪木の引き立て役でヒールにはひどい目に合っていたけど、そこがまたよかったな。





人気があったのはたしか。しかしそれは純粋なプロレスラーとしての人気じゃなく
日本プロレス史上最大の大物ルーキーとして。後にも先のも坂口以上に世間で騒がれた
プロレス転向者はいない。だが悪い言い方をすれば輪島同様「客寄せパンダ」としての人気
実際日プロ時代から「坂口だらしないぞ!」と野次が飛んでたし、「ろくな試合しかしない」と
酷評もされてた。日プロ四天王末席、最弱だった